【吃音(どもり)の悩み】
吃音の悩みって何ですか?それは吃音症状(どもること)自体ではなく、吃音症状が出るのではないかという不安や吃音症状が出たときの恥ずかしい気持ちや劣等感などではないでしょうか。幼少の頃から吃音に悩まされてきた私はそう思っています。本読みなどでの苦い経験が積み重なり、余計にそういった思いが強くなっていったのだと思います。私の場合、子供でもできる電話応対などができず、酷い劣等感を感じたものでした。
【吃音(どもり)の原因】
吃音の原因って何ですか? 私は吃音を治そうと悪戦苦闘してきました。とは言ってもなかなか長続きはしないのが現実で、本当に悩んだ時だけ一生懸命という感じでした。それでも吃音矯正所に通ったり、心理学の本を読んだり、研究者の話を聞いたり、それなりには努力してきました。その結果、たどりついた私の答えは吃音の原因は心の問題、すなわち脳の問題だと考えています。脳の問題といっても脳に障害があるわけではなく、特定の条件の時に脳が変な動きをする神経回路ができあがっているということです。 別の言い方をすると意識の問題です。例えば、私の場合以前からカラオケや緊急事態の時は吃音症状が出ない。もしくは気にならなかった記憶があります。それはカラオケの場合、「どもるのではないか」と意識するより、「音程やリズムを外さないように」という方への意識が強かったのだと思います。緊急事態の場合も「どもる」心配より、「今の状態を何とかしなければ」という意識の方が強かったのではと思っています。 意識が吃音とは別のところにいっているので、「いつもは起きやすい脳が変な動きをする神経回路」を使わなかったのではないでしょうか。 なぜ、脳が変な動きをするのでしょうか?それは間違った認知(考え方)をしているからです。具体的には劣等感や自己無価値感などです。その間違った認知(考え方)から吃音に対する不安な感情や吃音症状などが出ているのです。 人前に出ると赤面したり、手足がしびれたりする不安障害というものがありますが、吃音も同じ不安障害なのです。出てくる症状が赤面や手足のしびれではなく、吃音症状なのです。
【吃音(どもり)は治るのか】
吃音は治らないとか治りにくいとか言われていますが、本当に治るのでしょうか? もしあなたが歌をうたう時やとてもリラックスした時などにどもらない時があれば治る可能性は高いと思います。 今の私は吃音の悩みから解放されました。それは、吃音症状がまったく出なくなったということではなく、吃音症状が出るのではないかという不安がなくなり、吃音症状が出た時に気にしなくなったということです。もちろん吃音症状に対する不安がなくなったので吃音症状自体も少なくなりました。 ただし、そうなるまでには少し時間がかかりました。【吃音(どもり)の原因】で書きましたが脳の問題なので、どんな状況でも脳が正常な動きをする神経回路を新たにつくり上げる必要があります。右利きの人が左でも同じようなことができるようになるみたいな感じです。容易なことではないことがイメージできるでしょう。 しかし、以前私は1日で吃音が治ったという人の話を聞いたことがあります。内容はとても過酷な環境下で、大きな声でタイミングを図りながら話続けないといけない状況が数時間あり、それをやり終えた後に気がついていたら吃音が治っていたというものでした。その人が言うには、やり終えたことが100%の自信になったとのことでした。おそらく、その数時間で脳が正常な動きをする新たな神経回路ができたのではないでしょうか。その人は「100%の自信」を強調していました。 症状の重さや環境の違いなど個人差があるので何とも言えませんが、あきらめなければ時間の差こそあれ、治る可能性はあると思います。
【吃音(どもり)をどうやって治す】
吃音から解放されるには、吃音を意識しない新たな神経回路を脳につくる必要があります。別の言い方をすると「自信を持つ」ということですね。そのためには、吃音が発生する仕組みを正しく理解する必要があります。人間は得体の知れないものに対しては不安を抱きやすいものです。 私の場合、どうして吃音が起きるのかその原因をいろいろ考えました。言い難い言葉があるとか?発声法に問題があるとか?など、いろいろ考えましたが、自分の経験も踏まえたどり着いたのが脳の問題でした。 また、吃音の何が嫌なのか?何を恐れているのか?を考えました。そこで気づいたのが自分が勝手に吃音に関して過剰反応をしていたということです。そこで吃音に対する自分の考え方を改め、自分に言い聞かせてきました。実は私が実践したことは後から読んだ心理学の本に書いてあったことなのです。自分のやり方で結果は出ていたのですが、心理学の本でより確信を持ちました。 実は吃音は不安障害の一種なのです。精神療法の中に認知行動療法というものがあり、うつ病や不安障害などの治療に効果があることが実証されています。実は私が吃音克服のために行なってきたことは認知行動療法そのものだったのです。 私は認知行動療法は吃音の原因療法だと思っています。今までは吃音症状にとらわれて、対症療法的なことで吃音を克服しようとしていたため、克服できなかったり、一時的な克服で終わったりしていたのだと思います。認知行動療法を使えば吃音の完全克服は可能だと考えています。
【吃音(どもり)が治れば万事OKか】
以前、私は吃音さえ治ればなんでも出来ると思っていた時期がありました。しかし、吃音が治ってからあらためて気付かされたことがあります。それはコミュニケーションの大切さです。今まで国語の授業は本読みなどが当たるのが心配でまともに聞いていなかったし、さんざんコミュニケーションを避けてきたのだから無理も無いのですが、コミュニケーション能力の無さを痛感しています。 また、多くの吃音者に共通する認知(考え方)があります。例えば、自意識過剰で他人を脅威とみなしたり、自己を否定的に考えたりします。これらの認知(考え方)は吃音以外にも色々な面でマイナスとなります。 「TMCY」では上記のような吃音克服後の課題についてもサポートしていきます。
メールサポートによる吃音に特化した認知行動療法を行なっています。
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